9/30 19:00開演の回を観てきました!

 

雑記に近い感想なので、支離滅裂ですいません、読みにくいですけど、よろしければどうぞ

 

昨年の東京公演の噂を聞いていたし、その時販売されていた台本も読んでいて

「おもしろいなぁ」「悔しいなぁ」と思っていたので

新潟公演を観るのに勇気がいりました。

だって、モロ同年代ですもん!

嫉妬もしますってば。

えんとつ王でエッらそうにバカスカ批評されて、それが大抵的を射ていて

外した矢を拾って「ここ違うかんね!!」と叫ぶのがやっとでしたもん。

そんな同年代の男性が描く「不条理劇」「岸田戯曲賞候補作」

一時期狂ったようにナンセンスコメディをやっていた僕としては

奥歯をかみしめながらの観劇になるはずでした。

観る前に駐車場で「ちくしょーーー!」と言ってから観ました。

 

結論から言うと

「思っていたのと同じくらい面白かった!」でした。

やっぱり面白いなぁ!というの半分、

ここまでだよなぁ!って言うのが半分

奥歯が欠けなくてよかったです。

 

台本を読んでいたので、展開はわかっていたのです。

この台本は「ここはカナダじゃない」という状況のおもしろさ一点突破なので

ざっくりというと1/3過ぎたあたりから「ネタが持つんかいな?」といらない心配をしてしまうのでした。

当然、展開は急展開ではなく、

「時差」を根拠にした論破線や、

「空間の定義」といった偽哲学で物語を引きのばし、観客の精神世界を歪めていって、

客席は、無実の罪で軟禁されている取調室みたいな、デジャブとも思える留置場みたいな、麻痺空間になっていくのです。

しかも、「ここはカナダだ」と言い張っている本人は自分の有罪をわかってる状況なので

無理をすればするほど、有罪感が強まっていく。息苦しくて、笑いたくなるシーンも多々

 

ところで、この物語は「有罪・無罪」を問う法廷劇ではないのですが、俺にはそう見えたので、このまますすめます

 

「時空とは?存在とは?」みたいなやや眠たい話になって更に麻痺が進むのは我々陪審員たちも同じです

だけど、やがて遂に「私がやりました」と罪を認める田中。

完全論破され、打ちひしがれた彼は、陪審員全員が「有罪」票を投じる事を認めます。

打ちひしがれた田中に訪れる一発逆転の展開は、

ゴリゴリに現実的な印鑑!

 

ここにきて、物的証拠が強い武器となり

息を吹き返す田中。

 

物的証拠を盾にとって、ここから検察に一矢報いるのか?と思いきや

物的証拠も勝訴の決め手にはならない事がすぐに判明します。

 

いよいよ煮詰まって、(もう一度言いますが、法廷劇ではありません)

田中遂に敗訴か?と思ったところで

奇跡が起こります。

 

天使が降ってくるのです

すんげー可愛い24歳の天使が

鈴の鳴る様な声で

「ここはカナダですよ」と仰ってくれるので、

もうそれだけで田中は救われます。

 

「ンフ、んふ、んふ」と日本人離れしたカナダ笑いをしてくれる天使

法廷を支配する天秤の片方に圧倒的存在感で座るのです。

 

可愛い女性の、よくわかんないけど、かわいいからだいじょうぶな感じの発言で

田中は推定無罪へと導かれていきます。

日和見な弁護人は最後の最後まで田中の肩を持ちますし

検察官は自分の人生を掛けて田中を鉄槌を下そうとします

友人だったはずの男は証人として法廷に立つはめになり、田中に不利な証拠を求められます

こんなゆるふわの、真綿で締め殺されるような法廷が

可愛いのがでてきて、ひっくり返るんですから、世の中捨てたもんじゃありません

万歳!!

またすぐひっくり返って有罪っぽくなるんですけどね

あ。パスポートの入国印ここで見つかるんだった。。。(うろ覚えですいません)

 

で、す、が、

この事件の元凶は、事務手続きのいい加減さはおいといて

「旅費25万円の損失を田中が認めたくない」に過ぎないのです。

 

僕ら陪審員の多くは「ここカナダじゃねーよ」と思ってますが、

開廷後55分ほどでこんな風に冷めるかどうか?

陪審員全員は冷めていません、俺はやや冷め気味に「鯱鉾を観て泣き崩れた田中」に大笑いしたりしてました。

陪審員全員は冷めていません、俺はやや冷め気味に「なんかすっげー可愛い子出てきた!」と興奮してました。

別席で観ていた男の友人は性的に興奮していました。そんな彼に俺はかなり冷めました。

しかし僕の隣の陪審員をチラ見すると「なんかこいつ田中を応援したがってる!」ことも伺えます。

再三言いますが

 

ただただ田中は「25万払ったから」有罪を認めない!のです

ですが物語展開的には

「僕らは互いを傷つけあい、言わなくていい事まで口にしてしまい、もう、後戻りできないところまで来てしまったのだ。思えば遠くに来たもんだ」

という、実感を持たないと、それ以上一歩を踏み出せません。

誤解を恐れずにいますが、25万なんか一晩眠ればどうでもよくなるんですから!!

 

多分ここが、大きな問題なのかも。

 

いや、後戻りしようと思えば出来るんじゃね?

田中さん、25万で引っ張るの、もう限界じゃね?

 

僕は、芽生えてしまったこの実感を打ち消すのに必死でした。

そう思ったら、面白くなくなる!!と必死に打ち消したのです。

だって2500円のチケット代払ってるし!

高くないけど、安くないぜ!思い返して1週間は楽しみたいぜ!と思ってますから

 

「ゴドーを待ちながら」をみて

「君たち、まってねーで、さっさと、いけよ」と思うタイプの人間は

「田中有罪」或いは「この裁判、審理無効」「つか、みんな死刑」と断ぜられると思いました。

 

そもそもなんとかしなくていい問題じゃね?と思ってしまうかどうかで

陪審員の裁判に対する興味が変わってきます。

(物語の大抵は、どんどん根深い問題を掘り起こしていって、こんなエゲツナイの出てきたよ!って展開します)

 

「ここはカナダじゃない」というワンアイディアを

膨らませるだけ膨らませる平塚さんの肺活量は凄まじい。

だけど、

たとえば「性」とか「大金=命」とか「生命」とかが掛かってないと

裁判を長引かせるのに限界があるのではないかとも思いました。

もう、ハッキリ言っちゃうとアレですけど

75分はギリギリの長さだった気がするのです。

個人的にはあと5分でヤバかった。

 

20分で済む話を、75分ギッチリと魅せる作劇法は見事です

 

だけど、あまりに物語に余白が無さ過ぎて、

ラストシーンの

あの美しい

「さ迷うふたり」は、アレ以上どうしたってギチギチの世界にはいないだろうなぁ。。。

と思えてしまったのでした。

(だってもう、限界までアイディア出しつくしたんだもの)

 

ちなみに、僕が読んだ台本は東京バージョンで

ラストシーンは違っていました。

当然、書き直した今回の台本の方が好みです。

けれど、本来であれば、自然な帰結としては東京バージョンの方が素直だったようにも思えました。

 

自然だけど面白くない

のと

不自然なけど面白い

のと

自然だけど面白い

 

最後が一番いいよね

 

ラストの暗転後

「さ迷うふたり」は何処に行ったんだよ???

と、素直に思えるためには

「もともと25万円以上の案件」にするとか、世界がズレてズレて「いつのまにか宇宙滅亡」とか「この世から女が消えていなくなる」との話にするといった……ここまで書いて、でもやっぱり「ワンアイディアで75分」の潔さは捨てちゃいけない気もしてきました。ケラさんの「ウチハゾバヤジャナイ」を意識してるかなぁ?と思って聞いたけど、「読んだことないです」ですって。ケラさん、平塚さんは「ウチソバ」を読んでないそうです。これから読むそうです。

 

「ここはカナダじゃない」なんていう大ジャンプしなきゃ届かない様な手掛かりを掴んで、

ほぼツルツルの壁面を登り始め、しかもやめない。なんて常軌を逸していておもしろい!やめないで欲しい。掌が蛙みたいになるまでやめないで欲しい!と思いました。本心です

 

あ、もう一個

 

 

笑いの構造の話をさておいて

「鯱鉾をみて崩れ落ちる田中」の芸に笑いました。

ありふれた構造があるなしに関わらず、芸は「笑わせる武器である」と強く思いました。

おれ、メッチャ笑ったもん。

真似したくなったもん。

 

平塚さんは

「全ての劇作家に花束を」というテロップが浮き出して見えるような

真摯で丁寧な劇作家でした。「君のおもしろいと思えない」とニコニコして言いますが、

それでもなお、花束の用意は欠かさない様な、そんなあたたかい人柄でした。

 

人柄って、やっぱり、作品にでますよね。

 

オイスターズ「ここはカナダじゃない」

わかりにくい感想を書きましたけど、おもしろくて悔しかったので、しばらく人生の踊り場で足でもくじいててくれますように・・・という願いも込めて、楽しい時間と鯱鉾をありがとうございました。

 

 

  • 2017.12.13 Wednesday
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  • 16:15
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