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  • 2019.05.08 Wednesday
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 第五回「えんとつ王決定戦」2019/5/3-4 に参戦してきたので、その稽古の模様や本番の模様をここに記しておこうと思います。

 

 ツイッターでメモ書きを草稿にしているので、やや突発多岐だったりするリポートになるけれど。

んでもって、今回は作・演出としての参戦ではなく演者としての参加なので、視点も演者寄りとなっています。あしからず。

(ちなみにハンニャーズは第2回チャンピオンだよ〜その際の作品はこちらで見れます)

https://www.youtube.com/watch?v=e2rVvtb8Sp8

 

 今回は「SACROW」という新潟「サクマ企画」の佐久間さんと、東京の「シアターカンパニーJACROW」の代表中村ノブアキさんが手を組んだユニットでの参加でした。

 俳優は俺のほか、佐久間さんと東京の若手俳優・大柿友哉くん。音響オペレーションや演技アシスタントに新潟のほーけんが参加。以上5名で構成されました。

 

まずは決勝戦の票結果から。

 

オムツかぶれ(審)09+(観)07=16

劇団@nDANTE(アンダンテ)(審)15+(観)07=22

SACROW  (審)12+(観)24=36

 

優勝しました〜!!

ばんざーい!!

 

まぁ、結果はともあれ・・・・・・

審査員票はアンダンテに多く集まる結果となりました。

予選から審査員をしてくださったのは以下の三名。

 

黒澤世莉氏(株式会社ネクステージ)

大河原準介氏(演劇企画集団ロンドンパンダ)

遠藤 麻理氏(フリーアナウンサー)

 

 決勝戦のみ、審査員に大御所の渡辺えり氏が居たこともあって、また、他の三名は予選で概ねの講評を述べ終わっていたので、講評の壇上は渡辺えり氏の声が大きかったように思えました。彼女がべた褒めしたのはアンダンテの作品。アクションのつけ方に注文が入ったけれど。ほぼべた褒め。熱さと馬鹿馬鹿しさが入り混じった作品に高評価がつけられた感じで俺も納得。会場内の雰囲気も「優勝はアンダンテだろうな」という心の声でいっぱいだった気がします。

 ちなみに決勝戦での「SACROW」の作品「場内乱闘」は渡辺えり氏に酷評をいただきました。フェミニズムの観点からすると「女性をあまりにも軽く扱っており(人格無視に近い)、そのことに気がついていない劇作家の戯曲は断罪に値する」とまで言われてしまいました。作演のノブさんも「そのように描いたつもりはないのですが・・・・・・」とやや反撃するが「そこが問題です!」とえりさんの指先はノブサンへと突き立てっぱなしだったほど。

 視点を変えてみれば確かにその通りだなぁと思ったのだけれど、俺は人に指をつきたてっぱなしで物申す方に高圧的な印象しか受けないので、論点よりも気になってしまいました。

 女性審査員だった麻理さんがSACROW作品を評する際に開口一番「こういうアバズレいますよねぇ」と言っていて、客席にいた女性たちもどっと笑っていたけれど、その笑いは俺には無邪気だったようにも聞こえました。そして、そんな風に女性からの言葉で笑わせることが出来たのは、ある意味ツボをついているからであって、「あんな女性は現実にはいない!」というフェミニズムの主張が100%正しいことにはならないと思うのだけれど。

 とはいえ、俺も稽古中に何度も「こんな表層的な女に夢中になる俺の役どころはどうなんだ?」と自問自答はしました。その際に自分なりに出した答えは「まぁ、これが最後の恋だと思って執着しまくっている男なんだろうなぁ」というものだったから、少なくとも演じられた二人の間に、愛はなかった気はするのですが・・・・・・。

 だからこそ、愛の有り無し以上に爆発的に笑わせることが出来れば、「笑いが最強!」となってスカッとしたのかもしれません。そこはもう演者としての実力不足ということで・・・・・・精進します

 

 そんなこんなで、SACROWのメンバーがどんよりしている中で、

観客票で一挙に逆転してしまい、客席も変な空気になるわ、メンバーは苦笑交じりだわで、おかしな表彰式になりました。しかもトロフィの受け渡しはえりさんがご担当されていたし(笑)

 

 黒澤世莉さんが講評の場で唯一「SACROWの芝居は(2回みたけど)もう一度観てもいいかなと思います」と言ってくれて単純に嬉しかった。関係ないけど「何回みてもいいかなと思える作品」は俺自身の好みなのだ。

 

 優勝おめでとうございました!の言葉はプロデューサーの佐久間さんと作演のノブさんに送りたい。

 

 ここからはほぼ演者の視点で、稽古を振り返ってみることにします。

 

 まず。短編作品を三日の稽古で作るということについて。

 普段なら考えられないくらい短い稽古時間!だったのです。

 最初は「マジか?」と思ったけれど、台詞が入ってしまえば、あとは演出のオーダーに応えまくることが出来れば何とかなる!!!無謀ではなく「無茶」で済むくらいには何とかなる。

 俺にとって一番の大問題は台詞の暗記でした。稽古一週間前に台本をいただけたのですが、三人ともほぼ出ずっぱりの役だったので、俺がシーンを滞らせるわけにはいかないと思い必死で覚えるところからのスタート。一日の1/4くらいは録音した台詞をヘッドフォンで聞いてたし。

 単純に「まずは暗記」「四の五の言わずに暗記」「いいから暗記」でした。俺の場合、覚えた「はず」の台詞が出てこないと演出からのオーダーされるたびにテンぱってしまい(実際そうだったし)使い物にならん時間をすごす羽目になるだろうなと思っていたので。

 

 稽古一日目。

 その点大柿くんや佐久間さんはほぼ完璧に台詞が入ってて、天晴れ!!「ちっとはグラつけよ。。。!」と内心呪いをかけていたのでした。俺はと言えば、やっぱり台詞が思うようにでてこない。。。!マジか?!おれ?!結構みっちり自主練習したのに!!!ボロボロの一日目でした。

 この日記憶は睡眠と大きく関係していることを再実感。「夜眠らないと記憶は定着しない」ということがよくわかりました。台詞も動きも詰め込んで夜眠る。これが大事。はじめて三人で稽古した翌日(二日目)は何とかなったもの。

初日に演出からいただいた言葉でよく覚えているのが「三人がまだ、異なる劇団の俳優にしか見えない」でした。これは主に声の大きさやそもそもの発声の仕方が異なるところが大きくって、足並みをそろえていかねばならんという気持ちになりました。

 それと、最初にいただいた演出からのオーダーは「演じる役が高圧的にならないように」でした。はじめての読み合わせの際に感じた役の印象やシーンの温度設定みたいなものを変える必要があって、これは滅多に味会わない「修正感覚」でした。これがとても楽しかった!俳優はこうやって修正を求められるのか?とか一部を修正するだけではなく前後の反応も全部変わってくるぞ!とか思っているうちに作品に対する理解も深まっていく感じ。

 

 稽古二日目

 俺の台詞も安定してきて、演出のノブさんに「昨日の100倍いい」と言われました。・・・・・・裏を返せば一日目は1/100の成果しか出なかったと言う事で・・・・・・「ごめんなざーい!」と叫びたかったけれど、ここでいちいち落ち込んでいては本番に間に合わないのです。なんせ本番はすぐそこです。気持ちを切り替えて「いい」の言葉で喜ぶことに集中しました。「褒められている」「ということは素晴らしいぞ俺!」「どんどんよくなるぞ!」と自画自賛です。

 この時点で作品の温度や湿度がかなりわかってきた感じ。やはり想定のイメージと違っていてとても新鮮。意識を共有しながら、二人の俳優さんとも舞台上でコミュニケーションが取れるようにもなってきたように思えました。

 しかしまぁ、演者オンリーの参加のなんと楽なことよ!同時に裏方作業や制作作業に気をかけなくてよいのですから・・・・・・楽だわな。

 こんな恵まれた立場で気がついたことが一つ。そりゃあコンクールなので優勝はしたいけど、演者にとってそういうのは二の次で、とにかく作品の中で役に立ちたいという気持ちが強いということ。 ずっと演出家は微力だなぁという意識だったけど、俳優も同じ意識らしい。微力があわさって作品力になることを願うばかりなのでした。

 

 稽古三日目。

 この日だけ計6時間ほどの稽古が出来ました。

 かえし稽古はなし!二日目にして演出のノブさんからは「概ねいい感じなので、あとは慣れさせましょう」という言葉を頂き(そういうしかなかった気もしますが)三日目は「通し稽古+ダメだし」の繰り返しを5〜6回ほど。噛んでも気にしません。言い間違っても気にしません。細かいところは気にしない。というノブさんの徹底した姿勢に潔さと安心感を感じた日になりました。

 その日は夜になってラストシーンの数行の台詞を丁寧に議論させてもらいました。作に関しては口出しすまいと誓っていたのですが、縁者としてどうしても、辻褄を合わせるのが困難で生理的にも言い難い台詞でした。作品の根幹にも影響する台詞だったのでこのまま放置したままではマズイ・・・・・・と赤信号が灯ったのでした。ノブさんは俺がオブラートにつつんだ言葉を「遠慮しなくてOK!」といわんばかりに再解釈してくれてドンドン問題の核心に迫っていきました。結果的に議論に上がった台詞郡は全カット。シンプルで芯のある台詞に書きかえられる結果となりました。作家の「少し時間をください」から「「これでいかがでしょうか?」の間は約10分。スピーディ!

 大柿くんは放っておいても着々とよくなっていくので、SNSで観客の皆さんは大柿くんに注目するようにと書き込み始めました。プレッシャーを担わせて少しでも楽になりたかったのです!「本当の敵は味方にいるのか!」と言ってました。そうだよ。でも本当の敵は自分自身だし、女の敵は男らしいよ。勉強になったよな!

 かくして、最後の稽古は終わり!依然として俺は自身の台詞暗記問題が片付かず心配!

 

 四日目

 早くもリハーサル。そしてまさかゲネをやるとは思わなかった!そしてこのゲネで、俺は緊張しまくっていて(自分ではわかんない緊張)ランタイムを一分も巻いてしまいました。落ち着いてやんなきゃいけないのはわかっているのに・・・・・・どうしたもんか?とパニックになりかかった。そうなってくると次のような呟きがツイッターに投稿されることになります。

 

「リハーサルが終わって、なんだかいろいろと複雑な気分になってる。個人的な課題が一向に解決できる気がしないのだ。なんで演劇やってるんだっけ?問題解決のためにやってるわけではないんだろうけど」

 

 いまならば思うけど、一喜一憂しずぎだ。きっとお腹がすいてるとかそういう問題のはずなのに。案の定

 

「ドヨンとしてたらお腹が減ってることに気がついて、ごはん。少し落ち着いた」

 

 となりました。リハーサルでうまくやろうだなんて考えるから、よくないのだ。その前にまずは飯食っていつものルーティンをやってから舞台に立て!である。あとはうまくいこうがいくまいが、もう知ったこっちゃない。ぐらいでちょうどいい。

 

 ちなみに、この日、演出のノブさんは、「明日はいい出来でしょうから、楽しんで」と言ってくれたので、猛信することにした。ポジティブ大事。

 

 さて、

 これは書かなくていいことかもしれないけれど、備忘録として。

 劇場入りしてから佐久間さんがおそらく実行委員としての仕事に忙殺されて顔色がおかしかった気がした。本番をドサクサでやってしまうのはある意味しょうがないけど、本番前の空気をもう少し丁寧に味わいたいだろうに・・・・と思ってしまいました。

 劇場に入り、回りを見渡してみると俳優と実行委員を兼ねている人間が多い。分業は出来るだろうけれど、やはり全体をくまなく見渡しながら対処できるマルチタスクの人間が必要なのかも。

 そしてたぶん、その人は俳優を兼ねることが出来ない(俳優は単純にリハ・本番には制作現場にいることができないので)

 一般論ですが、制作や運営の現場が荒れるとその余波がお客様にも伝わってしまいかねないので、

「きちんと頼る」「きちんと甘える」「自覚をもって他者にお願いをする」大勢で運営する場合はこんな意識が必要なのかもしれないなぁと考えつつ、俺は俺でお手伝いできることはお手伝い。大柿くんとほーけんもなんかお手伝いに参加してました。

 実行委員の方々は頭が下がるほど一生懸命働汗をかいているのだけれど、どこか悲壮感も漂っていて、俺は無性に水族館に行かない?と誘いたくなりました。劇場にクラゲがいたらいいのに!!

 

 五日目。本番日。

 演出家のノブさんからの指示は特になし。が、舞台セットをしたのち、出番直前の演者を前に仏の笑顔で「がんばってください」と声かけをする演出家。気が軽くなった。いちいちファインプレイをする演出家。俺も真似したいです。

 予選での出来は演者的にはやや満足でした)。アクシデントもあったけれど、そのせいで落ち着けたみたいで。ある意味「細かいことはどうでもいいや」と思えたのがよかった。

 講評。

 審査員の方々のコメントは的を射ているけど、前提として自分たちの言葉に「責任持ちまっせ」という勇気ある姿勢に好感が持てました。ユーモアが垣間見れる瞬間が多々あって、よかった。審査する側にだって余白は必要なのだ。言語化に苦心しながらも「言いたい」のではなく「伝えたい届けたい」という気持ちが丸出しで、結構泥臭い。「ありがたーい」言葉としてではなく、演劇仲間から声をかけてもらっているよう。これはいままでの審査員も全員そうだったように。

 

 予選の舞台に立って気がついたおもしろいこと。

 俺にはいわゆるツッコミのセリフが多々あったのだけれど、「ここだ」というタイミングのいくつかは観客が主導権を握っていて、そこに合せるだけでよいのだという事。もちろん全部ではないけれど(今回はあたたかいお客様だったし)そんな風にタイミングを知らせてくれているときは演じていて肩の力が抜けてよい。無論、客席から遠ざかろうと思って意識を対面している俳優さんに向けているのだけれど、ノイズみたいなザワメキで「ここ」と圧しててくれている時があって、それを感じられるときは楽なのだ。

 

 かくして六日目・決勝戦

 緊張して食欲がなかったのでたので、ちず屋さんでうどんを食べることにした。うまかった。シダさんとたどたどしく会話をしてたら、細かいことがどうでもよくなってきて、「がんばります〜」と素直に言えるようになった気もします。

 決勝前におそろしくバタついた劇場シーンをみてしまったけれど、気を取り直して本番へ。

決勝の舞台が終わってすぐに大柿くんと「グルーブがなぁ。。。俺たちのグルーブがなぁ。。。そりゃ昨日とは違うけどなぁ。。。しょうがねーか」と、下手袖でプチ反省会。

 その後、ノブさんに「グルーブは作るものではなく、生まれるものですよ。僕は決勝の舞台の方が好きです」と声をかけてもらい納得。はい、演者は単純なのです。褒めて伸ばして欲しいのです!

 お客様の楽しみ方は自由だ。

 短編コンペはやはり「作」「演出」が審査される。演者としてはある程度の解像度を示すことが出来れば審査員の方々からさほどアドバイスを受けることはない。最終的に矢面に立つのは演出家だ。まさか、決勝の審査会であんなに太い矢が飛んでくるとは思わなかったけど!

 

やるだけやった。楽しい一週間だった。

 

 県外の知り合いにもたくさん会えて同窓会みたいな感じの打ち上げも盛り上がった!もう少し、審査員の方々や、他の出演団体さんなどと話がしたかったし、全ステージをご覧になった西村先生や市川さんにもお話を伺いたかったけど、まぁ、オシゴトがあったのでしょうがない!

 

 全方位に感謝だ。

 俳優をやっていくつもりはないけれど、俳優についていろいろ考えるいい機会にもなりました。

 そして何より、素敵な座組に誘ってくれた佐久間さんに、ありがとうございました!

 

 乱文ご容赦! 

 

 

月潟稽古場のはなしではなく

月潟劇場のおはなし

 

遅ればせながら

俺の地元でもある旧月潟村で開催されている

「月潟アートプロジェクト」にお邪魔してきました。

(写真を掲載すると、もったいない気がするので

一枚だけの掲載にします)

 

詳細な情報は割愛して、(そこらへんは参考サイトをご覧ください)

会場のもろ近所に住む者として、

さてさて、

「月潟劇場」には驚いた!というお話を。

 

この企画、Art unit OBI (鈴木泰人+本間智美) というお二人がやっているのだけれど、

この日案内してくれたのは鈴木さん。

「月潟に映画館があったって知ってます?」と聞かれ

「???」と目が点になるところからスタート。

てっきりアート作品の名前として「月潟劇場」というものを展示してあるのだろうと思っていたからだ。

40年くらい月潟に住んでるけど、

 

映画館があった

 

だなんて聞いたことがない。

記憶の糸を手繰ってもぶちぶち切れて、どうしても「映画館」とは結びつかない。

そういえば近所のお寺で「ドラえもん」の上映会があったような気がする・・・

そんなところで記憶は途切れてしまう。

 

「実際に、月潟には映画館があって、今もまだその建物があるんですよ」

 

その言葉を聞いても全然しっくり来ない。

どこか別の街の話をしているのではないかと、

詐欺にだまされない様に気をつけて話を聞いているような気分になるばっかりだった。

疑心暗鬼の俺を前にArt unit OBIの鈴木さんは言葉を続ける

 

「しかも、ここから歩いて1〜2分のところにです」

 

もう、悪い冗談のようにしか聞こえない。

いうなればこの辺は庭みたいなもので、目をつむっていても歩けるくらい

よく知った場所なのだ。

 

きむら屋さんという月潟の旧料亭(ここも作品になっている)をあとにして

歩くこと2分。

 

「ここです」

 

と案内された場所は、

今回「朝の鹿でドライブ」のチラシを撮影した通りからも見える

白い倉庫。

俺が小学生のときによく歩いていた細い路地沿いにある

白い倉庫。

周りの風景に溶け込みすぎて見えないくらいの古ぼけた倉庫である。

 

「ここ!ですか?!」

 

まだ、信用してない俺に鈴木さんは笑いながら「はい」と答えで倉庫の古い引き戸を開けた。

ツンとすっぱい匂いが鼻を突いた

酸化したフィルムが放つ古ぼけた匂いだ。

屋内は土間の状態になっていて、冷たい湿気が身体をつつむ。

暗がりの中古いスピーカーから漏れ聞こえてくるのは昭和39年に発生した新潟地震のニュース。

アナウンサーの声は破れてしまいそうな、白黒で聞こえてくるような、独特の抑揚で聞こえてくる。

暗がりにポッと暖色の白熱光がともって、会場がぼんやりと照らされる。

 

高い天井。

屋根にはおびただしい数の板状の木材が整列して張られている。

天然記念物の獣が住んでいそうな静かな空間に

職人が丁寧に組みあげた年代物のベンチが数脚。

おそるおそる会場の真ん中まで進み振り返ると、

二階席の桟敷が昭和当時のまま残っていて、

着物を羽織った少年達が欄干から顔を覗かせるような錯覚さえ覚えた。

 

「まずはそこに座って短い照明作品を楽しんでください」

 

言われるがままにベンチに腰掛けて作品を体験してみる

ここで、さらに驚いたのは

緞帳がある

という事実だ。

月潟劇場 賛江 と寄贈の印に照明が当てられる。

 

ここは確かに映画館で、閉館してずっとかれこれ50年以上も

一般住民の目に触れることなくここで眠っていたのだ。

 

近所に住む俺にとっては

「両親が実はロシアのスパイだった」と知らされるような妙な衝撃度である。

巨大なタイムカプセルが裏庭で発見されたような驚きがあった。

 

50年間も眠り続けていた映画館。

そこで喚声をあげてながら銀幕を眺めていた住人の大半はもうこの世にいない。

酸化したフィルムの香りと高い天井、二階席へと繋がる木造階段、

そして堂々たる緞帳が「映画館にようこそ」と声を放っているようだった。

 

映画文化に詳しいわけではないけれど、

現在演劇文化に膝元まで漬かっている身としては

自分の娯楽のルーツに係る場所のように感じて鳥肌がとまらなかった。

 

こんなところに隠れてたんか?

 

遠い昔、近所で神隠しにあった子を見つけたような、

はやくお風呂に入れたあげなきゃ、と感じるような

いとおしい気分で一杯になった。

 

この場所を、大勢の人にみに来て欲しい。

 

新潟に現存する貴重な木造映画館だろうとのこと。

取り壊しの憂き目を逃れて、よくぞ、いまだにその姿を保ってくれていると誇らしくもなった。

今後、この場所がどのような運命をたどるのか?見届けたいと思った。

 

【月潟劇場】

住所:新潟市南区月潟1555 旧料亭 きむら屋 から徒歩2分

開催期日:

水と土の芸術祭としては、残すところ下記のように開館(2019/09/25現在)

9月29日(土) 15時〜20時
9月30日(日) 15時〜20時
10月6日(土) 15時〜20時
10月7日(日) 15時〜20時
10月8日(月祝) 15時〜18時

 

参考サイト

水と土の芸術祭(注!作品写真あり)

http://2018.mizu-tsuchi.jp/citizen/detail.php?id=1877

フェイスブック

https://www.facebook.com/artunit.obi/

 

Art unit OBIの鈴木さんや本間さんが、

地元の声と記憶を丁寧に集めて、「月潟劇場」について沢山説明してくださいます。

貴重な体験とお話、ありがとうございました!

 

 

ネットで探し物をしていたら

 

ウチヤマシンイチさんが

ギターボーカルをしている

バンキンガールの「階段」と言う楽曲のライブ動画に出会いました。

ライブパフォーマンスは流石らなぁ~

普段は(いや、ただの1ファンに過ぎないんだけれど)おっとりした感じに思えるのに

この物怖じしない感じとか、オーディエンスに投げかける言葉とか、

ライオンみたいな感じがするなーと思っていました。

 

ツイッターで呟いたら

ご本人からさらにレアな初期の「階段」ライブ動画を教えて頂いて

(2007年6月のライブ風景の一部です)

聴いてみました、観てみました、

楽曲も最高なのですが、お客さんとのやりとりに、嫌味がまったくない!

後味がすごくいい!

言葉選びもよくって、

物凄く地頭の良いロックンローラ―なんだと再確認

(そういうところも市川淳之介さんと似ている気がします)

 

 

 

 

ツイッターに下のように書いたけれど

ほんとうに感じたことだけ。

10年前のステージ。

ボーカルご本人からバンキンガール「階段」のレア動画を紹介してもらった。

迷う背中を、森の熊みたいな手でトンと押してもらえるような楽曲。

行き先は分からない。そこはロックンロールが響く場所。

3分40秒からのパフォーマンスでの声が清志郎に聞こえた。

 

あいうえおお!KAKIKUKEKOH!

 

 

“階段”

作詞・作曲・編曲:バンキンガール

 

あなたが手にしたもの 

地位や名誉やお金なんかじゃなく

なぁ、もっともっと目を開いて

なぁ、もっともっと耳を澄まして

 

なぜにあなたは立ち止る?

貪欲にひたすらに精を出す?

そんなことにどんな意味があるのか?

俺はそう、階段をのぼる

 

一歩一歩、歩いてく

エレベーターなんかじゃない

 

あきらめたことを美化しちゃって 

はにかんで笑ってごまかして

偽りの服を脱ぎすてて 今更なんておもわないで

 

自らの足でのぼってゆけ

自らの足でおりてゆけ

時代の流れをおそれないで

人の流れにゆだねないで

もしもあなたが生き急いでいるなら

大きく息を吸って

 

果てしなく続く階段を

わけもなくただ進んでゆけ

その先に何があるかなんて

知る必要はない

知る必要はない

 

9/30 19:00開演の回を観てきました!

 

雑記に近い感想なので、支離滅裂ですいません、読みにくいですけど、よろしければどうぞ

 

昨年の東京公演の噂を聞いていたし、その時販売されていた台本も読んでいて

「おもしろいなぁ」「悔しいなぁ」と思っていたので

新潟公演を観るのに勇気がいりました。

だって、モロ同年代ですもん!

嫉妬もしますってば。

えんとつ王でエッらそうにバカスカ批評されて、それが大抵的を射ていて

外した矢を拾って「ここ違うかんね!!」と叫ぶのがやっとでしたもん。

そんな同年代の男性が描く「不条理劇」「岸田戯曲賞候補作」

一時期狂ったようにナンセンスコメディをやっていた僕としては

奥歯をかみしめながらの観劇になるはずでした。

観る前に駐車場で「ちくしょーーー!」と言ってから観ました。

 

結論から言うと

「思っていたのと同じくらい面白かった!」でした。

やっぱり面白いなぁ!というの半分、

ここまでだよなぁ!って言うのが半分

奥歯が欠けなくてよかったです。

 

台本を読んでいたので、展開はわかっていたのです。

この台本は「ここはカナダじゃない」という状況のおもしろさ一点突破なので

ざっくりというと1/3過ぎたあたりから「ネタが持つんかいな?」といらない心配をしてしまうのでした。

当然、展開は急展開ではなく、

「時差」を根拠にした論破線や、

「空間の定義」といった偽哲学で物語を引きのばし、観客の精神世界を歪めていって、

客席は、無実の罪で軟禁されている取調室みたいな、デジャブとも思える留置場みたいな、麻痺空間になっていくのです。

しかも、「ここはカナダだ」と言い張っている本人は自分の有罪をわかってる状況なので

無理をすればするほど、有罪感が強まっていく。息苦しくて、笑いたくなるシーンも多々

 

ところで、この物語は「有罪・無罪」を問う法廷劇ではないのですが、俺にはそう見えたので、このまますすめます

 

「時空とは?存在とは?」みたいなやや眠たい話になって更に麻痺が進むのは我々陪審員たちも同じです

だけど、やがて遂に「私がやりました」と罪を認める田中。

完全論破され、打ちひしがれた彼は、陪審員全員が「有罪」票を投じる事を認めます。

打ちひしがれた田中に訪れる一発逆転の展開は、

ゴリゴリに現実的な印鑑!

 

ここにきて、物的証拠が強い武器となり

息を吹き返す田中。

 

物的証拠を盾にとって、ここから検察に一矢報いるのか?と思いきや

物的証拠も勝訴の決め手にはならない事がすぐに判明します。

 

いよいよ煮詰まって、(もう一度言いますが、法廷劇ではありません)

田中遂に敗訴か?と思ったところで

奇跡が起こります。

 

天使が降ってくるのです

すんげー可愛い24歳の天使が

鈴の鳴る様な声で

「ここはカナダですよ」と仰ってくれるので、

もうそれだけで田中は救われます。

 

「ンフ、んふ、んふ」と日本人離れしたカナダ笑いをしてくれる天使

法廷を支配する天秤の片方に圧倒的存在感で座るのです。

 

可愛い女性の、よくわかんないけど、かわいいからだいじょうぶな感じの発言で

田中は推定無罪へと導かれていきます。

日和見な弁護人は最後の最後まで田中の肩を持ちますし

検察官は自分の人生を掛けて田中を鉄槌を下そうとします

友人だったはずの男は証人として法廷に立つはめになり、田中に不利な証拠を求められます

こんなゆるふわの、真綿で締め殺されるような法廷が

可愛いのがでてきて、ひっくり返るんですから、世の中捨てたもんじゃありません

万歳!!

またすぐひっくり返って有罪っぽくなるんですけどね

あ。パスポートの入国印ここで見つかるんだった。。。(うろ覚えですいません)

 

で、す、が、

この事件の元凶は、事務手続きのいい加減さはおいといて

「旅費25万円の損失を田中が認めたくない」に過ぎないのです。

 

僕ら陪審員の多くは「ここカナダじゃねーよ」と思ってますが、

開廷後55分ほどでこんな風に冷めるかどうか?

陪審員全員は冷めていません、俺はやや冷め気味に「鯱鉾を観て泣き崩れた田中」に大笑いしたりしてました。

陪審員全員は冷めていません、俺はやや冷め気味に「なんかすっげー可愛い子出てきた!」と興奮してました。

別席で観ていた男の友人は性的に興奮していました。そんな彼に俺はかなり冷めました。

しかし僕の隣の陪審員をチラ見すると「なんかこいつ田中を応援したがってる!」ことも伺えます。

再三言いますが

 

ただただ田中は「25万払ったから」有罪を認めない!のです

ですが物語展開的には

「僕らは互いを傷つけあい、言わなくていい事まで口にしてしまい、もう、後戻りできないところまで来てしまったのだ。思えば遠くに来たもんだ」

という、実感を持たないと、それ以上一歩を踏み出せません。

誤解を恐れずにいますが、25万なんか一晩眠ればどうでもよくなるんですから!!

 

多分ここが、大きな問題なのかも。

 

いや、後戻りしようと思えば出来るんじゃね?

田中さん、25万で引っ張るの、もう限界じゃね?

 

僕は、芽生えてしまったこの実感を打ち消すのに必死でした。

そう思ったら、面白くなくなる!!と必死に打ち消したのです。

だって2500円のチケット代払ってるし!

高くないけど、安くないぜ!思い返して1週間は楽しみたいぜ!と思ってますから

 

「ゴドーを待ちながら」をみて

「君たち、まってねーで、さっさと、いけよ」と思うタイプの人間は

「田中有罪」或いは「この裁判、審理無効」「つか、みんな死刑」と断ぜられると思いました。

 

そもそもなんとかしなくていい問題じゃね?と思ってしまうかどうかで

陪審員の裁判に対する興味が変わってきます。

(物語の大抵は、どんどん根深い問題を掘り起こしていって、こんなエゲツナイの出てきたよ!って展開します)

 

「ここはカナダじゃない」というワンアイディアを

膨らませるだけ膨らませる平塚さんの肺活量は凄まじい。

だけど、

たとえば「性」とか「大金=命」とか「生命」とかが掛かってないと

裁判を長引かせるのに限界があるのではないかとも思いました。

もう、ハッキリ言っちゃうとアレですけど

75分はギリギリの長さだった気がするのです。

個人的にはあと5分でヤバかった。

 

20分で済む話を、75分ギッチリと魅せる作劇法は見事です

 

だけど、あまりに物語に余白が無さ過ぎて、

ラストシーンの

あの美しい

「さ迷うふたり」は、アレ以上どうしたってギチギチの世界にはいないだろうなぁ。。。

と思えてしまったのでした。

(だってもう、限界までアイディア出しつくしたんだもの)

 

ちなみに、僕が読んだ台本は東京バージョンで

ラストシーンは違っていました。

当然、書き直した今回の台本の方が好みです。

けれど、本来であれば、自然な帰結としては東京バージョンの方が素直だったようにも思えました。

 

自然だけど面白くない

のと

不自然なけど面白い

のと

自然だけど面白い

 

最後が一番いいよね

 

ラストの暗転後

「さ迷うふたり」は何処に行ったんだよ???

と、素直に思えるためには

「もともと25万円以上の案件」にするとか、世界がズレてズレて「いつのまにか宇宙滅亡」とか「この世から女が消えていなくなる」との話にするといった……ここまで書いて、でもやっぱり「ワンアイディアで75分」の潔さは捨てちゃいけない気もしてきました。ケラさんの「ウチハゾバヤジャナイ」を意識してるかなぁ?と思って聞いたけど、「読んだことないです」ですって。ケラさん、平塚さんは「ウチソバ」を読んでないそうです。これから読むそうです。

 

「ここはカナダじゃない」なんていう大ジャンプしなきゃ届かない様な手掛かりを掴んで、

ほぼツルツルの壁面を登り始め、しかもやめない。なんて常軌を逸していておもしろい!やめないで欲しい。掌が蛙みたいになるまでやめないで欲しい!と思いました。本心です

 

あ、もう一個

 

 

笑いの構造の話をさておいて

「鯱鉾をみて崩れ落ちる田中」の芸に笑いました。

ありふれた構造があるなしに関わらず、芸は「笑わせる武器である」と強く思いました。

おれ、メッチャ笑ったもん。

真似したくなったもん。

 

平塚さんは

「全ての劇作家に花束を」というテロップが浮き出して見えるような

真摯で丁寧な劇作家でした。「君のおもしろいと思えない」とニコニコして言いますが、

それでもなお、花束の用意は欠かさない様な、そんなあたたかい人柄でした。

 

人柄って、やっぱり、作品にでますよね。

 

オイスターズ「ここはカナダじゃない」

わかりにくい感想を書きましたけど、おもしろくて悔しかったので、しばらく人生の踊り場で足でもくじいててくれますように・・・という願いも込めて、楽しい時間と鯱鉾をありがとうございました。

 

 

この10日間ほど大きな案件を抱えていて、書けないと思っていたけれど、

ぽっかりと時間が空いたので、

 

5/29(月)20:30〜23:00に月潟稽古場で行われた

「演劇の制作の集会2」のレポートを書きます!

 

宣伝広報チケット販売をトピックにしたのもあって

色んな方に興味を持って頂いた様子。

参加人数は20名ほどになりました。

 

 

前回同様、

兼任で制作を行っている方、団所属の俳優さん、フリーの俳優さん、舞台監督さんと、集まってくださった方は多種多様。

 

前半は

 

舞衆一ノ太刀主宰の高田一樹くんと

劇団☆ASK代表のかねことしやすくんにお話を伺いました。

二人の宣伝広報チケット販売に対する相違点を探りながら

敏腕の共通点を浮き彫りにしたいと思い、話を伺っていきました。

 

まずはかねこくんのお話を聞いて印象に残っていることを箇条書きします(この方針は変わっていく可能性も大きいという前提で)

 

*客演さんにもノルマを課すけれど、それはフェイストゥフェイスでお客様にチケットを受け渡す事によって

俳優の稽古に対する思いを持ちあげようともしている、ということ

*ノルマは必要だが買い取はさせない。赤字が出た場合は最後にはかねこくんが被るということ(今後の方針は不明)

*チラシの完成度を上げるけれど、それはお客様用でもあるけれど、俳優の気持ちをブーストする為の手段でもあること

*出来ればチケットノルマを課すことはしたくないけれど、動員800人のうち9割方が手売りや協賛してくださる方々への販売の結果なのだから、現状では「手売り」を優先している。

*一枚買って頂けるお客さまを見つけるよりも、一度に五枚買ってくださるお客様を見つける方が効率がいい。

*HP場でのコンテンツ、ASKチャンネル(youtube)は宣伝の意味合いよりも、ASKがどんな集団なのかをゆるい意味で知って欲しいという試み。自分たちがガツガツし過ぎないように息を抜く場でもある。

*単純に、地域の一区画全体をローラー作戦で営業掛けるだけでも効果はある。物量がものを言う

 

ここで、はたと思い出したのは

東京でのチラシの配布は2万枚以上で効果が2倍になるということ。その後なだらかに推移して4万枚で頭打ち。

チラシの配布は3000枚くらいの枚数では効果が薄いということ。

 

*SNS等で行う宣伝については「公演情報だけをツイート、リツイートするだけでは誰も読んでくれない。それならばやらない方がまし」

 

高田君のお話を聞いて印象に残っていること(この方針は変わっていく可能性も大きいという前提で)

*団員全員がツイッター好きである。(放っておいても自分の言葉で宣伝してくれる団員が多い)(写真の掲載も多様)

*赤字は団員が被るという前提方針(方針変更の可能性あり)

*公演に関する新情報やイベントが終ってからの情報発信のタイミングは主宰である高田君がはかっているということ

*自身が手売りチケット販売が苦手なのでノルマは一切課さないが、それでも大よそ「このくらいは売ってくれるだろう」という目算は立てている。

*イベント終了後にお客様と歓談する時間を大切にして、興味を持ってくださった方をとことん口説き落とす。コアファンの獲得を一番にしている様にも思えました。

 

一ノ太刀の宣伝が優れているなぁと思ったのは、ツイッターなどでの情報発信を全員ほぼ同時に行い、しかも、手書きのような個人の性格がにじみ出るような文章で宣伝を行っている事でした。

また、ジャンルのクスオーバーがうまく、演劇のみならず殺陣や2.5次元的世界観、ミュージシャンやダンサーの採用を臆することなく行っているのも特徴的です。演劇に興味のない方にクロスオーバー作戦は有効だと感じています。

 

両者。ノルマに関しては「あり・なし」と現状がわかれましたが、団員には作品製作にかかる費用を説明し共有することで一定の危機感を持ってもらうようにしているようです。高田君がおっとりしているように見えて実は金銭面に関してシビアだったり(赤字回避は必須)、かねこくんが金銭面においてシビアなように見えて、それよりも俳優さんのモチベーションを上げるのを第一義として手売りにこだわっていたりと、意外な側面も見えていました。両団体とも予算規模はそれなりに大きいのですが、赤字前提で行っていないというのが最も大きな共通点でした。そのためにとれる手段は企画段階から戦略的に行っているという点も同じ。客演さんを呼ぶ際も「大よそ、このくらいは動員してくれるはず」という現実的な数字も予想しているとのことでした。但し、手売りの数が少ないからといって「お客様を呼べない客演さん」と判断している訳ではなく、劇団のチケットフォームにお客様を読んでいる可能性があることも想定しているとのこと。(個々人の動員数を正確にはじき出す為にはコリッチなどの票券管理システムを使い個々人用のチケットフォームを作る必要あり)

 

また、二人とも、(僕もそうですが)主宰・企画・演出を兼ねています。「全部俺がやるのかよ〜(泣)」という状態にならないように、宣伝広報チケット販売に関しては、俳優さんを頼りに行っている現状が見えていました。予想通り「分業」はあらかじめ為されているという状況でした。但し、客演さんに「企画段階での予算規模」を伝えるわけにいかないので、客演さんの選出の際には「この俳優さんはどのくらいお客様を呼べそうか」を予想する必要がります。これは裏を返せば「動員出来ないと判断された客演さんは出演の機会が減ってしまうのではないか?」といった問題を提起します。フリーの俳優さんは俳優技術を磨く事は勿論ですが、宣伝・販売の技術の研究継続的にも行う必要がありそうです。

 

もう一つ、「商売っぽくならないように気をつけてます!」はお二人の本心でした。「お客様が引いちゃうし、金金言いたくない!」と困った様に言っておりました。ですよねー

 

 

 

ここからは、僕の個人的な見解も含めてレポートします

 

 

 

後半、全員入り混じっての話し合いの際に

「ノルマの事をわかってくれない俳優さんにどう売ってもらうか?」という制作的観点からの悩みに関しては、

「なぜ?売らなければいけないのか?企画を丁寧に話し、その上で決定される予算規模を説明するところからの情報共有が必要だと」いう話にも。

 

また、ノルマなし、低予算の作品作りは、否定されるものではないという意見もわき上がり、「もっともである」と納得もしました。ここは演劇とどうかかわっていくのか?という根源的な問題ですが、一旦お金が走り始めたらそれは参加者全員で考えていかなければいけない問題だとの認識はほぼ全員が一致していました(あたりまえか。。。)

 

「現金のやり取りが苦手(手売りがどうにも苦手)」という方も大勢いたので、何処かの会社の営業さんに「モノや目に見えないモノを売る際の心構えを教えてもらうレクチャー会」も有効なのかもしれないと考えました。関東ではそんな勉強会を実際に行っている団体もありとのこと。

 

僕からは

稽古の効果が停滞しがちな時期(本番一月前くらい)であっても、俳優さんは「なにも書けない」のではなく、「ネガティブなことを書く」のではなく、苦しい稽古の現状で「ではどうやって問題をクリアしていくか?など、苦しい状況の中に見える方法やぼんやりと見えるであろう希望を探し、文章にすることでお客様にメッセージを送り続けていくことが一番の宣伝だと思う」という主旨の話をしました。継続は力なりということで。

 

途中、

一緒に弥彦山に登ってチケットを1枚買ってもらったという猛者の話も出ました。

イベント会場で「集まってくださーい!」と見ず知らずの方々に集まってもらい、1枚1枚チラシを配付しながら「演劇に興味があるかどうか?」を聞く。。。とか。

この話には「効率が悪い」「そこまでするのなら稽古に時間を割いた方がいいのでは?」という疑問の声も上がりましたが、体育会系のノリに「すげええ!」と感嘆の声も上がりました。他の俳優さんのモチベーションを上げるための効果は確実にあるようでした。

そもそも僕が制作の分業(効率化)を考えるようになったのは、それが制作に関わる時間を少しでも減らし、稽古時間を有効に使い作品の質を上げる一助になるまいか?と思ったのがきっかけです。専任制作がいれば全て解決する訳ではないですが(制作の孤立を防ぐためにも分業を推進するのはいいことだもっと持っています)

宣伝・チケット販売に時間をかけ過ぎてしまえば、そのツケは稽古時間(稽古の質)の減少につながりかねません。この辺のバランスを主宰と演出(或いは舞台監督)を兼ねている人間がはかるのは難易度が高い様にも思えます。早い段階に戦略を立て、修羅場になる本番3〜2週間前には宣伝活動販売活動がオートマチックに分業化されている状態を作ることが肝要かと思われます。

 

最後に「チケットを売るのではなく、自分を買ってもらうつもり」でというセルフプロモーションの話にもなりました。どうやってお客様に自分をわかってもらうのか?営業の本質をついている言葉だと思いました(僕は営業経験がありませんが、優秀な営業職の友人が同じことを言っていました。。)遠回りなようでいて一番の近道かもしれないと思います。

 

2時間半の集会の中で「手売り」が基本であるというの現状が印象に残りました。同時に、もっとも手近な宣伝方法としてSNS上でも実生活の中でも俳優の露出を多くしていくことが重要だという認識を再確認しました。クロスオーバーするジャンルの住人へのアプローチも重要です。売る必要がるのかどうか?そこの見極めは単純ではなく、団体のあり方によって、演劇との関わり方によって大きく変わってくるので早い段階から座組みの意思統一をはかっておくことが重要だと思いました。本番前一週間になって「空席が多い!ヤバい!」とならないように、計画的な宣伝と効果的な販売促進を心がけることは勿論の事。

 

時間が無くてほとんど触れられなかったWEBサイトに関して、補足します。

広報は公演が無い時にいかに団体の存在をアピールするかが大切です。

公演が終わった途端に動かなくなるHPは「休団」状態に近い印象を受けます。過去の作品をデータベース化する。基礎稽古の様子をUPするなどして、「常に活動している」事をお知らせすることは大切です。

年に1〜2回の公演ペースですと、約8カ月間はHPが休止することにもなりかねません。

自劇団や作品を大勢の方に知ってもらいたい!と願うのであれば、WEB場で起こりやすい空白の8か月間をいかに充実させるかが「広報活動」の現実的な考え方なのではないかと思います。

 

以上です。

高田君とかねこ君がしてくれた話を僕なりに噛み砕いたつもりですが、誤解があればご指摘ください!

二人とも、和やかに、時に目の奥に鋭い光りを放ちながら丁寧に話してくださいました。ありがとうございました!

また忙しい中「制作」の話題で集まってくださった方々にも感謝!

 

 

さて、「分業・兼任」を基軸にして行っている「演劇の制作の集会」ですが

そろそろ具体的なレクチャー編に移行してもいい様な気がしてきました。

(皆さんの話を聞くたびにニ三枚目からうろこが落ちるのですが。。!)

 

次回は未定ですが「票券管理(チケット管理)」や「制作的なスケジュール管理」等の話で集まれればいいなぁと思っております。

 

 

 

 

「演劇の制作の集会」2開催のおしらせ

 

日時:5/29日(月)20:30−22:30

会場:月潟稽古場( 新潟市 南区大別当949-1 )

持参品:特になし

料金:500円

申し込み先:飛び入り歓迎。ですが、

大まかな人数が知りたいので、ツイッターをやってる人は

こちらで参加表明してくれるとありがたいです

http://twipla.jp/events/258119

 


前回の、制作の集会でトピックにした「分業」から派生して
今回は、広報・宣伝・チケット販売の話を軸に参加者で話し合いたいと思います。

企画部分とも大きく関連するのですが
制作にとっての大きな柱ともなる仕事が広報・宣伝・チケット販売です。
それは劇団所属俳優・スタッフ、やフリーの俳優さんにも
もっとも身近で切実な話なのかもしれません。

 

効果的な、宣伝方法とは?

どうやったら、お客様に興味を持って頂き、チケットが売れるのか?

 

今回は前半に
【舞衆一ノ太刀】主宰の高田一樹さんと
【劇団☆ASK】主宰のかねことしやすさん からお話を伺い、

後半に
伺ったお話をもとに、参加者で話し合いの時間を持とうと思います。


高田さんは現在、2017年7月の本公演に向けて絶賛準備中で、県内随一の効果的なSNSでの宣伝を展開しています。
かねこさんは、過去の本公演で800名を超える動員を長岡市で実現しました。
お二人とも、劇団主宰であり・企画制作者でもあります。
企画や動員に関する考え方には若干の違いがあるとは思いますが、現在進行形で走っている二人の制作者からは
おもしろくて、ためになる話が聞ける事間違いなしです。


僕自身は「低い場所で集まろう」のモットーを忘れずに、
制作初心者、興味がある方のご意見もたくさん受け取っていきたいなぁと思っています。

 

制作が少しでも楽しくなるヒントを提案できるように!

あなたのご参加をお待ちしています。

 

 

劇団ハンニャーズ主宰 中嶋かねまさ

 

 

 

〜参考資料〜


fringe

小劇場演劇の制作者を支援するサイト

http://fringe.jp/

 

票券管理システム

CoRichチケット!
https://ticket.corich.jp/stage/


 
制作用資料

「例の掲示板」

http://www.geocities.jp/reynobbs/newpage7.html

 

5/10(水)に新潟古町えんとつシアターで制作の集会を開催してきました!

 

簡単に、どんな話になったのか?

終えてみてなにを考えたのか?

を、ここにレポートしたいと思います。

 

当日の参加人数は17人、見学者5名。

予想以上の人数が参加して下さいました。

一つのテーブルでは収まりきらずに

二班に分かれて二つのテーブルで開始、

45分×2回の話になりました。

(途中、行政団体の紹介もありました)

 

参加して下さったのは

劇団所属の制作者

劇団所属の俳優(制作経験なし)

フリーの俳優(制作経験なし)

劇団主宰者(制作経験あり)

公共ホールの事業担当者(制作経験あり)

これからユニットをたちあげていこうとする企画者(制作経験無し)

舞台監督(制作経験なし)

と、かなりバラつきのある状態。

 

「制作の分業は可能かどうか?」

 

に留意しながら、

お互いの話を聞き合うようなイメージで始めてもらいました。

こちらのテーブルは僕が、

あちらのテーブルはりゅーとぴあの岡田君が、

ファシリテーターを務めながら、でした。

 

テーブルで聞いた

面白かった話を箇条書きにしてみます

 

*稽古後「制作からの連絡でーす」と伝えるなどして、制作者の存在をアピールすべき

*読めばわかる事に関しては読めばわかる(制作の庶務的な仕事・フローチャートについて)

*主宰者と制作者と舞台監督の仕事が混在している(切り分けて考える必要がある)

*劇団内での連絡の行き違いが多く、情報共有の意識が低いこともある

*現時点ではLINEによる連絡網が有効だが、団体の構成員の生活リズムが事なるので(昼夜が逆だったり)、連絡ミスが起こりやすい。(LINEの使い方にも一定のルールを設けてそれを徹底する必要がある)

*「例の掲示板」に載せた制作フローチャートはなるほど便利である(使える部分は使って下さい)

*制作者支援サイトfringeは便利で役に立つ。無料で閲覧可能だという事実に驚きの声あり

*老舗劇団には「お母さん」の様な制作がいる

*制作者の一番の醍醐味は「企画」であり、その面白みがわからないと制作をしようと思う人間なんて出てくるわけがない。

(企画については、劇団であればほとんど主宰が行っている現実があり、企画を志している人間は既に企画ユニットを立ち上げているだろうと言う意見も)

 

個人的には、じっと押し黙って言葉を探し続けている方の話が聞きたかった!(後にメールで何を考えていたのかを知り、驚きました!真摯に勇気を持って参加してくれていた方々が多かったのです。ありがとうございます!)

 

最後は圧倒的な時間切れ感が残る集会でしたが、

こんな風に制作の為の集会が行われたのは初めてのこと。その点だけでも良かったと言う雰囲気でした。

 

集会の雰囲気や進行において印象的だったことを箇条書きにしてみます

 

*具体的なレクチャーを期待していた方も多く、互いに話を聞き出そうとする事よりも

「何かを教えなければ」「教えてもらいたい」という雰囲気が強かったこと

*制作を一手に引き受けた経験のある劇団主宰者やユニット主宰者・俳優は「庶務的制作作業の分業」について切実だが、一方で「演劇の企画力」に興味がある方も多かった事(企画について、別途レクチャー会などの実施を期待する声もあり)

*話題が多岐に渡ってしまい(分業の話はほとんどできなかった)ともすると団体の在り方の議論になりがちだったこと(それほど制作の在り方は、団体の在り方と根源的な関係性が高いという事実が発露した)

*制作経験のない俳優にとっては制作を知る機会になったが、情報量の多さと、トピックの乱立に戸惑っていた様子

*分業体制(俳優との兼務)は現状として既に妥当性を持っているようで、(理想的に)「専任」で行える可能性は低いと言う認識だったこと。(こう感じたのは予想通りでもあったし、前提として分業体制を考える集会にしたいと思っていたからか?)

 

僕なりの考察。

 

実質2時間半の対話の中で、「分業を考えてみる」というトピックからかなり逸れた話にもなってしまったのがファシリテーター担当としては歯がゆいところでした。

皆さんの話を聞きながら「分業」について考えることは「効率」について考えることなのだと思い直す事が出来てよかったのですが、効率論は受けが悪いな。。。とも思いました(笑)。

集会の中で話をまとめる時間が無かったのですが、惚れ込んだ作品の(あるいは団体の、あるいは企画者の)作品作りにおいて、もっとも大事なのは稽古時間と稽古の質であって、時間と質を作りだす為にその他の作業の効率を上げることは制作の大きな仕事だとも思いました。

結論を導き出すための集会ではなく、ヒントを聞き合う会にしたかったのですが、こういった趣旨の集会でもいったんの結論は必要なようでした。制作に携わっていない(と言いつつもほとんどの方が制作の一端に携わっているように思いますが)方々がこうして制作を考えてみる機会を持つことは、団内の情報共有の意識付けにおいても、分業における問題点の修正においても、追い風になるように思います。

 

話し合いの流れの中で「分業」の柱として次の三つが立ちました。それぞれに関連性が高いのですが、おそらく一番シンプルな分け方だと思います。

 

_餬彜浜

▲好吋献紂璽覺浜

チケット管理・販促、広報&宣伝

 

*指摘を受けたように、ここには制作の醍醐味ともいえる企画が入っていません(さらに大きな異論もあると思いますが、企画は自劇団の主宰が行っている場合が多いという前提で話を進めました)

 

のチケット管理については【CoRichチケット!】などの票券管理システムの活用によって制作庶務の作業はかなり軽減されると思います。宣伝に関しては、団員全員がSNSによる発言を増やす事によってセルフプロモーションをしていくことが「分業」につながる様にも思えます。広報に関していえば(作品作りを行っていないオフ期間に)だれでも閲覧可能な劇団のデータベースともいえるHPなどの充実を図ることでカバーできるようにも思います。

 

´↓6Δ坊麑海しんどくなる時期はチケット発売の3週間前、本番の3週間前だと思われます。この時期に行われる制作以外(俳優・舞台・演出)の仕事を洗い出し、A少しでも前倒しに出来るものは前倒しにし、B仕事の優先順位を見直すことで分業・兼業の効率は上がる様にも思えます。

 

まとめ。

 

個人的な希望として「制作者は専任で行った方がいい」と今でもおもっています。

いくら制作のフローチャートを眺めてみても、実際にやってみないとわからないものです。状況は作品によっても座組によっても大きく変わってくるからです。やってみないとわからない……ここに制作未経験者と経験者の温度差が生まれます。未経験者は「なんだか大変そうだけれど、何を手伝ったらいいのかわからない、ごめんね」という状況に陥ります。それでも、制作の仕事の大きな流れを知っておくだけで「いま、制作的にはどんな時期で何をしているのか?」を察しやすくはなるはずです。

僕は新潟の小劇劇団の一員として、制作担当者が(兼業であれ専任えあれ)孤立し疲弊していく事態だけは避けたいと考えています。これは小劇団の主宰でもある僕の切実な問題なので、今後も機会があれば「制作者の集会」を開催し、いい知恵を得られるよう耳を傾けていきたいとおもっています。

「庶務に関しては、ある程度いい加減で良いのだよ」と豪語できるまでに知恵をつけていきたいなぁ。。!

 

 

以上、第一回「新潟の演劇の制作集会」を終えてのレポートでした。

乱文失礼しました!

 

最後に

制作の参考になるHP等を紹介します

 

fringe

小劇場演劇の制作者を支援するサイト

http://fringe.jp/

 

票券管理システム

CoRichチケット!
https://ticket.corich.jp/stage/

 

iQube

劇団内の情報共有のために、会社用のクラウド型グループウェアシステム(10名まで無料)などの導入もいいかもしれません

スマホ対応だし、会計文書・スケジュール管理・タスク管理も出来る。 モノはためし!

 

制作用資料

「例の掲示板」

http://www.geocities.jp/reynobbs/newpage7.html

 


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